レプリカ虚像乙女
【第四章、隠匿 二十八話、かぶき町日和】
私にお仕事が舞い込んできた。部屋に籠って書き上げたと言う書状はどちらも偽名を使用しているが幹部宛てのものらしい。恐らく武市さん。その書状をポストに投函すると言うのが今回の任務。配達自体は業者がするし投函するだけなら簡単な仕事だ。しかし簡単に思えても、どこのポストに出すかは考慮している。同じ所は使用しない。真選組から足が着く可能性があるからだ。今日は少し歩いて遠い所に出向こうか。
昨夜行われた高杉さんと万斉さんという鬼兵隊二大巨頭による静かなる宴は、酌やら配膳やらのお手伝いを中心に働いていた私に飛び火した。呑んでみろと言われ少しだけお酒を頂いたのだが、彼らはお酒に滅法強い。勧められるまま呑んでいたらいつの間にか足元が覚束無くなった。そのままグッスリ眠ってしまったらしくそれからの記憶は無い。目覚めた時には日付を跨いで…翌朝になっており自室の布団の上だった。重い体を動かして高杉さんの部屋を訪ねた時には、いつも通りに高杉さんが朝食を頂いている最中だったのだ。仕度は誰がしたのだろうか。万斉さん? しかしこの部屋に姿すらない。頭を下げて寝坊の謝罪をしても「いらねー。もう少し寝てろ」と言われ仕方なく部屋に戻る。しかし、ハッと目覚めた時の衝撃は相当のもので二度寝なんて出来ないだろう。熱めのシャワーで怠さを洗い流し新しい着物を纏う。食事も済んだであろう高杉さんの元を再度訪れた時には勿論食事は終わっており、後片付けを行う。その私に「これ出しとけ」と、例の書状が手渡されたのだ。
「それでは行ってきますね」
玄関先まで見送りに来たであろう万斉さんに声をかけつつ、もう変な賭け事も煽るような発言もしない様に釘を刺しておく。「承知しているでござる」なんて言っているけど万斉さんの事だ。またちょっかいをかけるのだろうけど。旅籠を出て振り返る。視線の先には勿論高杉さん。会釈をして通りを進む。
今の時代は随分便利になったものだ。江戸にあるポストの位置が検索できるからだ。以前に使用したことのあるところは選択肢から外し、統一性のない場所にある所を探す。旅籠とかぶき町から少し離れた所にある
場所が目に留まった。印刷した地図は胸元に入れてある。歩いて大体30分~45分ぐらいだろうか。わざわざバスなど乗る必要もない。目安の時間は高杉さんには連絡済だ。交差点で煙草を買いに行く道のりから逸れる。かぶき町へ通じる道には絶え間なく人が歩いている。ガングロなギャルだったり、チャラいチンピラ風の人だったり、スーツを着たリーマンだったり、女装をした所謂オカマだったり。気にも留めずに道沿いを歩く。
ふと遠くから近づいてくる犬の鳴き声がして、視線が周囲を探る。散歩中だろうか。鳴き声は後ろから近づいてくるようだ。
はふと後ろを振り返る。
「あら?」
そこには首輪をつけたダックスフントが一匹、短い脚を動かして全速力で道を走っているではないか。飼い主の元から逃げ出したのだろうか、首輪から伸びたリードが犬に引きずられているのだが肝心の飼い主の姿はない。ダックスフントは一直線に
に向かってきたのだ。私の足元まで来ると、前足を私の裾に掛け起き上がり尻尾を左右に大きく振っている。そう言えば昔から動物に好かれる体質だった。
はその場にしゃがみ込むと犬の頭をよしよしと撫でてやる。首元のプレートを確認すれば“メルちゃん”という可愛い名前が刻まれていた。飼い主の姿はないものの一応飼い犬ということで安心した。
「貴女メルちゃんって言うのね。よしよし。ご主人様を置いて来ちゃったのね」
頭を撫でている最中も肝心のメルちゃんは興奮が収まらないようで、ワンワンと吠えながら尻尾をブンブンと振りまくっている。散歩中ならすぐにでも飼い主が追ってきそうなものだが。すると…「メルちゃぁああん!!!!どこやぁああああ!!どこ行きよったァアアア」なんて男性の叫び声がどこか遠くから響いてくるではないか。それも四方八方から。遠くに揺らいだ影が確かなものになった途端、「居たでぇええええ」なんて叫び声と共に影が全速力で近づいてくる。近づくごとに輪郭がはっきりしてくる像は、もれなく厳ついチンピラのような人だった。
「メルちゃぁあああん!!!いよったァアア!!ってアンタ誰やァ!!!」
ピッチリした七三分けに楊枝を咥えた厳つい顔の男性が犬の名を呼びながら私を指差す。その男性が現れた途端にメルちゃんは吠えながら男性の元に駆け寄っていく。懐き具合からしても飼い主で間違いないだろう。男性の風貌を見て、これあんまり関わらない方がいいやつかもしれないと頭が判断したと同時に、男性の後ろから手下と思われる複数のチンピラが顔を覗かせた。
「オイ!ゴルァ!ウチのメルちゃんに何すんじゃァア!!」
「兄貴ィ。これはメルちゃん誘拐してウチに身代金用意させようっちゅーやつでっせ」
「幼気なメルちゃん苛めるなんてどういう神経しとんじゃァ」
この世界のチンピラってどうしてこうもお決まりなのだろうか。周囲の通行人たちは我関せずとそそくさに通り過ぎて行く。まだまだ昼間で人通りも多いのが救いだ。私もあまり関わりたくはないけれど、これだけは言っておきたいことがあった。「あのーすんません。この子の飼い主の方ですか」と下っ端には話が通じないのは前例で学んだので、見た感じ親分と思われる人にそう尋ねた。周りのチンピラにはもれなくメンチを切られている。
「オウ。このかぶき町を牛耳る溝鼠組の若頭兼メルちゃんの飼い主はこの黒駒勝男や!!」
「兄貴ィ~!!」
「イヨッ!男前!!」
男性はこめかみを押さえ髪の毛の分け目を盛大にアピールしてくる。何処から取り出したのかは不明だが紙吹雪が舞い、ラッパ音が鳴っているではないか。意を決して私は口を開いた。
「あの!飼い主さんがちゃんとリードを持っておかないと!!ここ少なからず交通量が多いので!下手な事故に巻き込まれかねませんよ。普段は大人しい子でも突然興奮して走り出すことってあるので。散歩は公園とかの方が安全かと思います!!」
そう意見している間にも配達のトラックだろうか、大きな音を立てて数台通り過ぎて行った。原付バイクも行き交っている。今回は事故に巻き込まれなかったのが幸いだが、犬にとって赤信号なんて関係ないだろう。私の言い分を大人しく聞いていた黒駒さんが口を開いた。
「せや。ワシかて普段はメルちゃんと公園を散歩するのが日課やった。それもこれも、コイツが散歩に連れ出しよってしっかりリード握っとらん上、普段と違う道進むからやァアア!!」
─バチィイイン と、裏手で鉄拳が振り落とされ後ろにいたチンピラの一人が吹き飛んだ。体はフェンスにめり込み額からは血が滲んでいる。相当の怪力だ。肌蹴た胸元から刺青が垣間見える。あれ…もしかしてこの人たちただのチンピラじゃないかもしれない。え、本気でそっちの人?
「普段と違って人通り多かったらメルちゃんかて驚いて興奮してまうやん!?ちゃんとリード掴んどったらこんなことにならんかったやん!?何でワシが叫んだ途端に手ェ放してまうねんな!!メルちゃんごめんなァアアア」
「ちょっ!ちょっと止めて下さい!!!」
気絶したチンピラに向かって振り上げられ拳を必死に掴む。「嬢ちゃん止めんたって!!これがケジメや!!」叫びながら腕に力が入る。チンピラの残りが「兄貴!」と宥める様に後ろから胴体を掴み動きを阻止している。三人がかりで押さえていても、今にも拳は振り落とされそうだ。
「お願いですから暴力は止めて下さい!メ、メルちゃんの前で暴力は止めて下さい!!」
犬の名前を使うなんて、我ながら可笑しな呼びかけだろう。しかしこの人には効果は絶大だったようで(それ程このメルちゃんを大切にしているようだ)犬の名を呼びながら、その場に膝から崩れた。肝心のメルちゃんは男性の周りをぐるぐると回り、最後には頬をぺろりと舐めたのだ。「こんなワシを許してくれるんか!まさに天使や!!!」そう言いながらギュッと犬を抱きしめる。まさかこんな所で一大“人情劇”を垣間見ることになろうとは。後ろで押さえていた子分も鼻をすすりながら感動し涙が止まらないようだ。抱きしめていた腕が緩むと、メルちゃんがワンワンと吠えながら私の元へと走り寄ってきた。さっきみたいに前足を掛けながら尻尾を振り続けている。
「メルちゃんもどうやら嬢ちゃんを気に入ったみたいや。内輪の事情に巻き込んでスマンかった。ワテ等は嫌われ者の極道モンやさかい、これ以上関わるんは遠慮させてもらうで。しかしまあ、この恩は忘れんわ」
「出しゃばってすみません。じゃあねバイバイ。メルちゃん」
抱かれたメルちゃんに手を振るとクゥーンと甘い声で鳴きつづけていた。うっかり関わってしまったのが街のチンピラなんて可愛いものではなく、極道関係の人だったなんて。大事にならずに済んだのでよしとしよう。ヤクザに絡まれたなんて高杉さんには言えない。大人しく胸に仕舞うことを決意して再び、道を進む。
*****
今日の投函先は、通り沿いの小さなポスト。昼過ぎになったら本日二度目の回収が行われることになっている。歩くごとに小さかった赤が輪郭を現しポストの存在を認識させる。焼肉屋と花屋を通り過ぎ、目的のポストにたどり着くと高杉さんから預かった書状を取り出す。宛先は武市さん。差出人はもれなく高杉さんの偽名が使われている。投函口に手紙を入れるとカランと高い金属音と共に赤い腹の底に消えていった。戻ろう。
が踵を返し元来た道を帰ろうとした時だった。
間口の大きな花屋の店先に並んだ色取り取りの花が目に留まる。誘われるように店の奥に視線を向けると、まるで書き物でもしているかの様に店員さんが熱心に机に向き合っているのだ。花の手入れをしているかのわけでもなく商品を作っている様にも思えない。事務処理でもしているのだろうか。それにしても勉強でもしているかのように熱心なのだ。店員の様子をジッと眺めていると、私の視線を感じてか、ふとその女性が顔を上げた。
「アラん?お客さんかしら??」
視線がバッタリと合ってしまい、私は固まってしまった。もちろん花屋に用事なんてなかっった。深い赤色の髪に同じくらい濃い赤の口紅が印象的、話し方にも妖艶さを垣間見える店員の女性は、立ち上がると軽く手を拭い店先まで歩いてきた。
「いらっしゃい。ごめんなさいねん。作業で立て込んでで気づかなくて」
「あの…」
この状況で“ただ店先でぼーっとしてて花屋さんには用がない”とは言い辛くなってしまった。動揺を誤魔化すために、アハハと笑いながら奥のケースに入れられた花を眺める。と、ケースの前にある作業台…それはさっきまで店員のお姉さんが何やら作業をしていた場所なのだが、何やら大きなキャンバスのような物が置かれているのが目に入る。何だろうか。カラフルな色だ。
「これは…」
「あらやだ。それ花弁で描いてる絵なのよん。ここ私の実家で今ヘルプで来てるんだけど、副業先の店長さんが奥さんに結婚記念にプレゼントしたいっていうからねん。手伝ってるの。珍しいでしょ?っても、細かいから肩は凝るわ中々進まないわでやっと半分よん」
「わあ凄い!」
花弁の色と形を組み合わせて、キャンバスの上には女性の顔が半分と少し出来上がっていた。何となく特徴は掴んでいるようで女性像が想像できるものだ。中々上手だと思った。
「まあ私の場合は黙って花でも指輪でも買ってきてくれた方が嬉しいけど」
「うふふ。プレゼントは想いが大切ですから」
「で、貴女は何をお求めかしら??」
は言葉に詰まってしまった。別に花屋に用もない。しかしここでただ花を見てましたとなれば、変に印象に残ってしまうのではないだろうか。私は通りすがりの一般人だ。誰の印象に残っても困る。ここは適当に花を見繕ってもらい、ただの一般客として処理してもらう方が得策ではないだろうか。
「その…あの、部屋に飾る花を見繕って頂けませんか」
「部屋に飾る花…と、アレンジメント?それともブーケスタイルで渡して自分で生けるのん??ついでに予算も聞いとこうかしら」
「えーっと全体のボリュームは要らないです。一輪挿しか二輪挿し位で、花に品があればそれで大丈夫です」
「珍しいわね。今の流行りは盛りに盛ってゴージャスな感じだから。一輪に美を求めるなんて…嫌いじゃないわ」
「ありがとうございます」
ブーケやアレンジメントなんて大きいもの持って帰ったら誰に何を言われるか。高杉さんだろうけど。それに比べて一輪から二輪程度なら自分の部屋で処理できるし、何より隠して部屋に持ち込むことも可能だろう。「今種類が色々あるから」と言って並んだ花を見渡す店員さん。
「色か花の希望はあるかしら?ピンクとか可愛いけど沢山あるのよね」
周囲を見渡してみると、赤に黄色にピンクに白おまけに変わった緑色の花まで様々だった。生けやすそうかつ隠せそうな大きさのもの。薔薇…はちょっと主張しすぎる気がするし、百合なんて大きくて隠せないし。色取り取りで目が回りそうだ。そして目に留まったのは誰かと同じ…でも少し違う、紫色の花だった。丸めの形が可愛らしい。
「すみません。これは」
「あートルコキキョウね。いいわよこれ。可愛いのよん?」
「素敵」
状態のいいものを三本ほど抜き取ると私の前に差し出した。「一本?二本?」と聞いてくるので思わず「全部お願いします」と答えた。ちなみに三本お買い上げだ。包むから少し待っててと言われ、描きかけの花弁の絵を眺めることにした。睫毛まで綺麗に再現されているのだ。
「はい出来上がり。三本で1200円よ。帰ったら水切りと毎日水を取り替えて」
「わかりました。ありがとうございます」
代金を支払い代わりに商品を受け取る。まるで小さな花束のよう。三輪ながらもその花は美しい存在感を示しているのだ。
「また来てねん」
店員さんに笑顔で応じるも返す言葉は出なかった。もうここに来ることはないだろう。素敵な花屋だと思うし店員さんにも好感を持てるけど。ここを通ることはしない。花屋から出れば、私はただの通行人なのだ。足早に旅籠までの道のりを行く。手にはさっき買った花が三輪。高杉さんに見つかったら怒られるだろうか。少し不安になりつつも表情には出さない。信号待ちで足を止めれば、道路の向こうにいた集団に目が釘付けになった。
そこには華美な着物を纏った…女性。いや、見たまんまオカマが異様な存在感を放って信号待ちをしている。ここはかぶき町。オカマバーの一つや二つあるものだろう。見た目こそ異様であるが、それだけで判断してはいけないこともある。私は男ではないので、下手をしなければ絡まれることもないだろう。信号が青に変わるとメロディーが交差点に響いた。その音を聞いて横断歩道に踏み込む。何事もなく、彼らとすれ違った…はずだった。
「アンタ」
「えっ?」
後ろから呼び止められる声がした。横断歩道には私とオカマ軍団以外には人はいない。つまり私を呼ぶ声なのだろう。恐る恐る振り返ると、おかっぱ頭に長めのアゴが特徴的な男性…いやオカマさんがバッチリとこちらを向いているのだ。「はい」と瞬きをしながら応じると、何かを差し出された。
「落としたわよ。私が清く正しい夜の蝶じゃなかったら見つからないところだったわね。気をつけなさい」
「ありがとうございます」
道路を渡っている間に財布を落としていたらしい。頭を下げて差し出された自分の財布を受け取る。「ちょっとアズミ?」向こう側から呼び声がする。どうやらこの人の名前のようだ。名を呼ばれてその人は足早に集団に戻っていった。とんだ早とちりだった。いい人だったのは言うまでもない。その時、交差点に鳴り響いていたメロディーがパッと鳴り止んだ。視線が捉えたのは歩道の信号が点滅から赤に変わった瞬間。あ、まずいかも。今にも走り出しそうな巫女さんの乗った原付バイクを側面に感じ、私は慌てて走り出す。小走りで反対側の歩道にたどり着いた。―トンッ 次はつま先に衝撃を感じた。
「ッ!?」
視野が崩れていく。いや、崩れていくのは私の体勢。つま先にあった何かに躓いたらしい。前屈みのまま全てがスローモーションで流れていく。これ、前にもあったような。そう。脳内は随分冷静だった。確かその時は、伸びてきた腕が…私を掴んだ。高杉さんの手が私の手を。地面がずっと近づいてくる。私が地面に近づいていく。危ない!
「おっと!大丈夫ですかお嬢さん」
「うわっ!」
地面に突っ伏すと思った矢先、上半身が固い何かに当たったのだ。視界には地面…と着物の柄。今のところ痛みは感じていない。あれ?顔を起こせば綺麗な男性と目が合った。途端にその人はニコリと笑みを浮かべる。
「派手に転びかけましたね。危ないところでした」
「あ、ありがとうございます」
「お構いなく。困っている女性を見過ごせはしません。時に手を差し伸べるのが我々ホストというもの。申し遅れました…私、かぶき町で“高天原”というホストクラブを経営しています本城狂死郎と申します」
ホスト?と、発さられた単語を繰り返す。この人ホストなんだ。確かに綺麗で女性受けのいい見た目だし、何より話しやすそうな雰囲気を纏っている。差し出された名刺にはNo,1の文字がハッキリと書かれている。この人が名実共に人気なのだろうことはわかった。
「良ければお持ちください。いつでも来店、ご指名お待ちしていますよ」
「これ落しましたよ」
「あ…りがとうございます」
ホストの本城さんの後ろから身を乗り出してきたのは、今時はお目にかかれないものすごーく大きなアフロヘアーの(お手入れ大変そう)顔の濃い男性だった。ワイルド…なのか。本城さんとはまた違ったタイプの人間だろう。あれ、よくよく見ると揉み上げとヒゲと鼻毛が繋がっているような。いや気のせいだ。気のせいにしておこう。私は何も見なかった。
「驚かせちゃいましたね。こちらは八郎。私の用心棒です」
八郎と呼ばれた男性は、紹介を受けてペコリとお辞儀をした。起き上がった八郎さんは私の前に花を差し出す。それは先ほど花屋で買ったばかりのトルコキキョウ三輪。転んだ拍子に手を離してしまったらしい。「ありがとうございます」と再び頭を下げてそれを受け取った。
「どうかお気をつけて」
笑顔で去り行く華麗なホストと用心棒。初めての非日常体験に心をときめかせながらも、私の意識は現実に戻る。今何時だ。近くの商店の壁に掛けられた時計を見ていると、さっきからまた十数分経っているではないか。因みに花屋に寄り道した分いつもより遅い。まずい…。先の表情にこそ出さないが背中から怒りのオーラを放った高杉さんが脳裏に浮かぶ。早く帰ろうと私は帰路を急いだ。
一話に色々と(特に登場人物)詰め込みました。花の似顔絵がまだ半分なので、原作の回よりも少し前の時間軸です。
20170317*星宮はちこ 裏語